<< August 2009 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

泰二の「病の俳句」

枯向日葵
 上の二枚の画は、いずれも狛犬さんの作品です。

  「向日葵の無言の並ぶ月明り  たいじ

<泰二の病の俳句>
 前にもお知らせしましたように、私は肺線維症(間質性肺炎)という病気です。症状は進行し、酸素のくだを着けていても、息切れします。食欲が無くて食が進まず、体重は一年で、9キロ痩せました。外出には車椅子のお世話にもなります。
 そんな状態で俳句を詠むとどうしても、病の俳句になってしまいます。(ブログ句会の題詠などだと元気な句も詠めますが。)ここにはそういう作品を集めました。
 
衰へし五臓六腑や氷菓子

万緑や視点の低き車椅子

端居して一寸先の黄泉の国

下草に夕日沁み入る晩夏かな

息切つて闇昇りゆく花火かな

吸ふ息の日々に薄しやつづれさせ

どんぐりで終る団栗ばかりかな

形見分け済みたる書棚つづれさせ
-----------------------------------
<お勧めサイト(季語・例句)>
 狛犬さんから、季語のデータベースを訊かれ、調べたら、次のサイトは例句も多いので、皆さんにもお勧めだと思いました。(世話人)
「現代俳句データベース」http://www.haiku-data.jp/kigo.html
(このサイトは前に一度、紹介したかもしれません。)
もう一つは、「増殖する俳句歳時記」http://zouhai.com/kigo.html
taiji-m * - * 22:47 * comments(0) * trackbacks(0)

第七回合同ブログ句会・選句と評

るりたまあざみ
 写真は真上から見た「ルリタマアザミ・(瑠璃珠薊)」。このブログで一度紹介したことがあります。毎年、花が小さくなって、大分貧弱になりました。

<第七回合同ブログ句会・選句と評>
 選は☆で示しました。△は佳作、▽は意見、?は疑問、※は仮名・文法の誤りです。
<>は作者、( )は評者です。
 ※今回の句会作品、選、評について、感想・質問などお寄せくだ
さい。

<選句と評>
<小波>
1団栗のことばころがる掌
2形なきものは壊れず秋灯
3秋立つやかすかに見ゆる風のいろ
☆1、一つ一つの団栗、それぞれの言葉が聞こえる。(泰二)
☆1、団栗の言葉に耳を傾ける作者。誌的想像をかきたてられる。(風花)
△1、(友遊)
△2、(友遊)
☆3、色のない風に色を付けたところが面白い。(狛犬)
☆3、季節の変化を風の色で表現しているのに感心した。(知足)
☆3、古今和歌の本歌取りでしょうか。端正な句です。(土曜日)

<白い鴉>
4秋立つや影を重ねし船溜り
5陶製の釦いろいろ秋ともし
6どんぐりや硬貨を洗ふ水の音
☆4、季節の移ろいが見える。(紙風船)
☆4、影から、船溜りの水の色も連想できました。(青子)
△4、整った句で誌的情緒がある。既に詠われているような気がする。(風花)
△4、(奴)
☆5、陶のぬくさと秋灯がひびきあう。色彩的。(風花)
☆5、陶のもつぬくもりと手製のおもしろさが秋ともしにぴつたりです。(柊)
☆6、鎌倉の銭洗い弁天か、山奥の静かさが出ている。(奴)

<♭>
7秋立ちて最小限の人となる
8秋灯に過ぎ去りし日々影光
9団栗の各々の顔我を見し

<八目>
10行く足のはこびの遅き今朝の秋
11一人にはひとりのくらし秋灯
12団栗や昔はどこも子沢山
☆11、「ひとり」が日々背負ってゆく「くらし」の重さよ。(♭)
☆11、慎ましいが平穏な暮らしがうかがえる。(梓)
☆11、上五中七、どこかにありそうなフレーズですが、秋の気分です。(土曜日)
☆11、類句がありそうだけど秋灯がよく合っている。(紙風船)
☆12、素直な連想を頂戴しました。(土曜日)
☆12、(鴉の子)
☆12、野放図に転がる団栗を見ての感慨の一句で面白い。(若葉)
△12、「どんぐり」と「子供」は一寸つきすぎか?(奴)

<狛犬>
13秋の灯や亡き母見たり暗がりに
14秋の灯や財布の底の銭数え
15孫等去り団栗一つ残りけり

<泰二>
16立秋や音立てて噛む香の物
17どんぐりで終る団栗ばかりかな
18秋灯星のごとくにはるかなる
☆16、食卓にやすらぎ、日常のひとこまを捉えて好きな句。(梓)
☆16、新米に香の物!秋だなぁ〜と感じるひと時。(白い鴉)
☆16、空気も澄んでこりこりと音のする香の物が美味しそう。(杏)
☆16、秋めいた空気の中、香の物をかむ音の歯切れよさが伝わってくる。(里穂)
☆16、音が響いて静けさを感じます。(句猫)
☆16、立秋らしさを音で表現。おいしそうですね。(柊)
☆16、(鴉の子)
△16、「噛む」がなければ、申し分なし。(奴)
☆17、発想にこころを惹かれた。味わい深い句。(梓)
☆17、悲しいのだが笑ってしまう、そんな表情が浮かぶ句。(うーむ)

<季彩>
19今朝秋の厨に出羽の祈祷札
20これからが一人の時間秋ともし
21山の子に山の遊び場櫟の実
☆19、祈祷札と今朝秋のイメージが良い。(八目)
☆19、夏に詣でて戴いてきたものか。お札の白さが、秋を象徴している。(奴)
☆20、秋の夜長自分の時間を大切にしたい気持ちよく分かる(狛犬)
☆20、母・妻・嫁・パート・奥さん。役割から解放される自分の時間。(泰二)
☆21、自然の中でのびのび育つ子供の情景、「山の遊び場」が効いている。(梓)
☆21、作句に無理が無い。(八目)
☆21、(鴉の子)

<友遊>
22秋立つや朝の散歩の距離のばす
23秋たちてまた明日ねと別れたる
24秋立ちて潮風乾いてきたりけり
☆22、感じるだけではなく、具体的に反映させる秋。(♭)

<土曜日>
25どんぐりやいくつになっても虎フアン
26秋灯下買ふても読まぬ哲学書
27縁ひとつ切れて歳寄る今朝の秋
☆25、虎ファンは永遠に不動、不滅です!!(季彩)
※26、「買ふて」は誤り。正しくは「買うて」。(世話役)
△26、買っても積んだままの本は面白いが、「哲学書」はどうか?(奴)
☆27、「縁」を結び合い、「歳」を重ねてきた人だけが語れること。(♭)

<柊>
28塀に寝る猫そよぎをり今朝の秋
29一冊の本とラジオや秋ともし
30秋灯や戻りし家に音あらず
☆29、秋の夜長の雰囲気が伝わってくる。(若葉)
☆29、ゆったりと過ごす秋の夕べでしょうか。(句猫)
△29、季語とつき過ぎの感じがしますが。(季彩)
△29、秋ともしにぴったりの道具立て。ぴったり過ぎがマイナスにも。(泰二)
☆30、誰もいない淋しさが、自然に伝わってくるようだ。(知足)

<風花>
31秋立つや漂うてゐる蔓の先
32人を待つナイフとフォーク秋灯
33大どんぐり一つ呉れたる別れかな
☆31、風に吹かれて揺れている蔓の先。何故か侘しさを感じます。(白い鴉)
☆31、涼しい秋になり蔓も元気に触手を伸ばしている様子が見える。(杏)
☆31、蔓の先が漂うとなんで秋立つのかわからないが立秋だからだらう。(八目)
☆31、秋の始まりを空気の軽さに感じる繊細な句。下5句秀逸。(うーむ)
☆31、秋立つ頃の植物の特性が出てる。(里穂)
△31、よく見る風景ですが、中七が秋の淋しさを捉えています。(柊)
△31、「秋めくや」だったら☆。「立秋」は繊細さの他に潔さも含む。(泰二)
☆32、照明は絶対黄色。誰かに待たれること、待つことの幸せ。(うーむ)
☆32、中七の金属の質感が季語と合う。スマートな句。(柊)
☆33、童話を読むような物語の展開を感じる。(里穂)

<奴>
34立秋の月を掲げし森の梢
35クラス会果て秋の灯に帰りつく
36どんぐりの水面に落ちしこだまかな
☆35、クラス会の余韻と、秋灯のとりあわせに共感しました。(青子)

<杏>
37水底のごとき法堂秋灯
38立秋の僧連れてくる山の風
39秋立つや地球も少し傾けり
☆37、龍の睨む禅寺の法堂の静けさが秋灯しでほっとする様。(季彩)
☆37、法堂の静けさが良く出ている。嘗て対馬で、同様な景に出会った。(奴)
☆37、比喩に惹かれた。澄んだ静けさが遺憾なく表現されている。(風花)
☆37、上五が全体の雰囲気を良く出している。(泰二)
☆37、水底というたとえがすばらしい。(青子)
☆39、壮大な着眼点に惹かれた。(♭)
☆39、そんな気がしてきました。面白いです。(友遊)

<里穂>
40秋めくや川風とどく美術館
41筆跡に父との逢瀬秋灯下
42ふるさとや団栗の降る父母の墓
☆40、玉堂美術館でしょうか。景がみえます。涼しげです。(友遊)
☆42、自然に恵まれた土地の情景が浮かんできた。(知足)

<紙風船>
43小流れの石の不揃ひ秋立ちぬ
44秋ともし円周率の限りなく
45団栗や佳境に入りし村歌舞伎
☆43、ありふれた小流れに注ぐ視線。その水に立秋を感じる感性に共感。(風花)
☆44、円周率の数値が最近更新された 取り合わせが斬新な句である。(若葉)
☆44、簡潔な中にある宇宙の永遠の不思議。俳句ならではの表現。(うーむ)
☆45、村民の動きが見える様です。村芝居では如何。(白い鴉)
☆45、観てみたいです。中七が決まっています。(土曜日)
☆45、山々に囲まれた村。素朴な伝統を守る村の人々。季語の斡旋も良い。(奴)

<若葉>
46今朝の秋風にねばりの失せにけり
47千号に載す千句目の句秋灯
48とば口は踏み固めらる檪の実
☆46、風のねばりという表現が新鮮(狛犬)
☆46、秋風のさらりとしている気配が出て嬉しい。(杏)
☆46、(鴉の子)

<悠>
49立秋や二声のあと飛び立ちぬ
50山の水一杓掬ひ秋立ちぬ
51秋立つや二つ三つと星増ゆる
☆50、爽やかな感じが良く出ている。(紙風船)
☆50、夏とは違う匂いや冷たさに秋を感じられたのでしょうか。(句猫)

<青子>
52秋立ちてマリンブルーのシャツ仕舞ひけり
53茶葉ひらく刻(とき)数へをり秋立ちぬ
54袴脱ぎ檪樫の実無礼講
△52、字あまりにしてまで「けり」がいるのか?「シャツ仕舞ふ」では?(奴)
☆54、独創的な発想で、楽しい句です。(柊)

<句猫>
55秋立つや金星に後をつけられり
56秋灯し田舎道をひた走る
57団栗が名刺代わりや山の神
※55、「られり」は誤り。正しくは「らるる」。(世話役)
☆55、金星に後をつけられるという表現がおもしろい。(季彩)
☆56、暗い田舎道を、ひた走るがいい。暖かさと寂しさ。(友遊)
☆57、団栗が良く効いている。(白い鴉)
☆57、団栗が山の神の石碑に落ちていて名刺代わりとはユーモラスですね。(杏)

<知足>
58災害と戦禍も語り秋に入る
59秋灯や音せぬ碁盤長考す
60団栗や孫と数えて俄塾
☆59、何十手先まで読んでいるのかな?(季彩)
☆59、秋の夜の静かな感じがいい。(里穂)

<うーむ>
61秋立つや君は口癖だけ残し
62秋灯下こころしずめるために編む
63ねんねこの手より団栗ころがりぬ
☆61、今は傍にいない方の口癖を思出して懐かしむことってありますね。(句猫)
☆62、何かに集中すると心が静まる、特に秋の夜は(狛犬)
☆62、女にはそういうときがあります。同感。(友遊)
▽63、季重ね。上五を工夫すると楽しい句です。(白い鴉)

<梓>
64発掘の竪穴住居くぬぎの実
65秋立つや風の下りくる屋敷林
66秋灯や本にはさみし子の便り
☆64、堅穴住居とくぬぎの実がマッチしていると思う。(若葉)
☆64、土器時代の、豊な生活が思い浮かんだ。(青子)
☆66、手元に置いておきたい心情。(八目)
☆66、偶然見つけて、感慨に耽っている感じが良く出ている。(知足)
☆66、身近に置いてさりげない親子の距離感が出ている。(紙風船)
☆66、本に挟んであった便りを秋灯の下で開く感じが出ている。(泰二)

taiji-m * ブログ句会 * 15:28 * comments(0) * trackbacks(0)

第七回合同ブログ句会・出句集

白桔梗
 写真は庭の「白桔梗」。前回の莟も開くとこんな具合です。

<第七回合同ブログ句会・出句集>
 下の作品の中から良いと思う句を4句選んで句ごとに感想・批評を30字以内で添え、その番号・評を泰二宛のメールでお送りください。(選句が4句を越える時は、佳作としてください。)
 それとは別に、問題句に対するご意見などもお寄せください。
 ☆選句期限 8月25日。
 ◎全ての選句・評をまとめ、このブログに発表します。作者名(ブログ上の仮名)も添えます。感想・批評も評者名(同前)を添えて全て発表します。

<出句集>
1団栗のことばころがる掌
2形なきものは壊れず秋灯
3秋立つやかすかに見ゆる風のいろ
4秋立つや影を重ねし船溜り
5陶製の釦いろいろ秋ともし
6どんぐりや硬貨を洗ふ水の音
7秋立ちて最小限の人となる
8秋灯に過ぎ去りし日々影光
9団栗の各々の顔我を見し
10行く足のはこびの遅き今朝の秋
11一人にはひとりのくらし秋灯
12団栗や昔はどこも子沢山
13秋の灯や亡き母見たり暗がりに
14秋の灯や財布の底の銭数え
15孫等去り団栗一つ残りけり
16立秋や音立てて噛む香の物
17どんぐりで終る団栗ばかりかな
18秋灯星のごとくにはるかなる
19今朝秋の厨に出羽の祈祷札
20これからが一人の時間秋ともし
21山の子に山の遊び場櫟の実
22秋立つや朝の散歩の距離のばす
23秋たちてまた明日ねと別れたる
24秋立ちて潮風乾いてきたりけり
25どんぐりやいくつになっても虎フアン
26秋灯下買ふても読まぬ哲学書
27縁ひとつ切れて歳寄る今朝の秋
28塀に寝る猫そよぎをり今朝の秋
29一冊の本とラジオや秋ともし
30秋灯や戻りし家に音あらず
31秋立つや漂うてゐる蔓の先
32人を待つナイフとフォーク秋灯
33大どんぐり一つ呉れたる別れかな
34立秋の月を掲げし森の梢
35クラス会果て秋の灯に帰りつく
36どんぐりの水面に落ちしこだまかな
37水底のごとき法堂秋灯
38立秋の僧連れてくる山の風
39秋立つや地球も少し傾けり
40秋めくや川風とどく美術館
41筆跡に父との逢瀬秋灯下
42ふるさとや団栗の降る父母の墓
43小流れの石の不揃ひ秋立ちぬ
44秋ともし円周率の限りなく
45団栗や佳境に入りし村歌舞伎
46今朝の秋風にねばりの失せにけり
47千号に載す千句目の句秋灯
48とば口は踏み固めらる檪の実
49立秋や二声のあと飛び立ちぬ
50山の水一杓掬ひ秋立ちぬ
51秋立つや二つ三つと星増ゆる
52秋立ちてマリンブルーのシャツ仕舞ひけり
53茶葉ひらく刻(とき)数へをり秋立ちぬ
54袴脱ぎ檪樫の実無礼講
55秋立つや金星に後をつけられり
56秋灯し田舎道をひた走る
57団栗が名刺代わりや山の神
58災害と戦禍も語り秋に入る
59秋灯や音せぬ碁盤長考す
60団栗や孫と数えて俄塾
61秋立つや君は口癖だけ残し
62秋灯下こころしずめるために編む
63ねんねこの手より団栗ころがりぬ
64発掘の竪穴住居くぬぎの実
65秋立つや風の下りくる屋敷林
66秋灯や本にはさみし子の便り

taiji-m * ブログ句会 * 14:58 * comments(0) * trackbacks(0)

第七回合同ブログ句会・出題

白桔梗・莟
 写真は「白桔梗のつぼみ」です。良く見ると、中央が開きかけています。

<第七回合同ブログ句会・出題>
 
皆が作者で、皆が選者の句会です。
 どなたでも参加自由です。フリーの方も御参加ください。
<出題>
 「立秋・秋立つ。傍題、可。」
 「秋灯・秋ともし」
 「団栗・檪の実」
 (一つの題だけで三句詠んでもかまいません。)
<出句>
 三句(二句・一句でもけっこうです。)
<締切>
 8月20日・24時
<送信>
 泰二のメールアドレスに送信してください。
 (ご存じのない方は、下の「comments」で送信してください。その際、必ずアドレスを添えてください。)
<出句集>
 皆さんの出句を、このブログに無記名・番号付きで並べて発表します。
 早ければ21日、遅くとも22日には発表の予定です。
 「選句と評」の締切は25日のつもりです。

taiji-m * ブログ句会 * 12:08 * comments(0) * trackbacks(0)
このページの先頭へ