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第九回ブログ句会の「感想」から



 写真は「子蟷螂」。
 俳句の季語で言えば、「蟷螂生る」。
 楊枝くらいの細さで体長3センチくらい。
 場所は玄関先の敷石の上。
 けなげにもカメラに刃向う構えです。
 やや逆光で、影がはっきり映っていました。




<第九回ブログ句会の「感想」から>
 ※今回の話題は多美子さんの句です。
<第八回ブログ句会>
1苔の花賑わしきかな雨の朝 
2やぶからし伸びて面目躍如たれ
<第九回ブログ句会>
22時計草伝う垣根を風が過ぐ
23うたた寝のどこか遠くで竹風鈴
☆23、情景が想像出来て竹風鈴の音色が聞こえる様です (白い鴉)
☆23、誰もが経験したことのある感覚ですね。(句猫)
☆23、竹風鈴の音がうたた寝にやさしく聞こえてきた(烟水)
☆23、竹風鈴は聞いたことがないけれど昼の夢心地が気持ちよさそう。(けいこ)
☆23、夢か現かそう言う感じが好きです。(狛犬)

<泰二のメール>
 前回のブログ句会で、多美子さんは無点でした。
 私はメールで、その原因は「主観を生で述べた」せいだと申し上げました。
それに対する多美子さんの反応は打てば響くようで気持の良いものでした。
  (※この件は「第八回ブログ句会の感想」に載っています。)
 そして今回、「うたた寝のどこか遠くで竹風鈴」は4点でした。
 今回は主観を生で述べず、「うたた寝」「どこか遠く」「竹風鈴」で、ムードの共通する一つの世界を作っています。これで、多美子さんの伝えたい心情が、生でなく、伝わってきます。

 22の方は、失敗でした。多分、客観的ということに拘り過ぎたのだと思います。
 客観的事実をそのまま並べても駄目なので、自分が伝えたい情緒に合うように、取捨選択をする必要があるのです。
 今回のブログ句会の作品で言えば、土曜日さんの「13白南風や島一周の遊歩道」、うーむさんの「24白南風や赤子の足裏やはらかく」などが良いお手本と言えるでしょう。

<多美子さんの返信メール>
 あれこれ考えて結局2句しか出せませんでしたが、竹風鈴が鳴ってる感じはとても好きなので、その気持ちを多くの方に受け取ってもらえたのはとても嬉しいです。
 今回は「爽やか」とか「のどか」とか、そういう感想をなるべく入れないようにと気をつけました。
 実は今回、もう一句、風が強い時の浜昼顔の様子を「砂流れ浜昼顔の葉でとまる」と作ってみたのですが、これは「説明」というか理屈っぽい感じがしてやめました。

 色々考えてしまうと身動きが取れず、句が出来なくなる感じもします。もう少し自由に作って出句し、批評してもらった方がいいのかなと思いました。

 それから、「や」とした方がいいのかとか、語の順番はどうしようとか悩む時が多いですが、その時はお言葉に甘えてメールで送りますので、相談にのってくださるようよろしくお願いします。

<泰二のメール>
 俳句についての勘が鋭いですね。
 確かに、「風が強いので流れてきた砂が、浜昼顔の葉があったから止まった。」というのは、理屈であり説明です。
 これを乗り越えるには、一連の動きでなく、瞬間を詠むといいでしょう。例えば「浜昼顔砂混じりなる風が打つ」

 あれこれ考えると身動きが取れず、句が出来なくなるということですが、囲碁・将棋などでも、入門書・指導書を読むと勝負に負けが混むと言います。それは、受け取った理論がまだ身に付かないからです。しかし、読んでは打ち、打っては読むを繰り返すと前より一回り強くなるのです。考えるのを止めずに、なんとか乗り越える工夫をしてください。

 それとは別に、いろいろ、表現の冒険・実験をしてください。基本通りの作り方ばかりをしていると句の中身が痩せてしまいます。ブログ句会には、確実な作品と「実験その1」みたいな思い切った作品と両方出すのがいいと思います。(実は私はそうしています。)

 俳句・作品についての質問・相談、いつでも何でも応じます。遠慮なくお寄せください。

 しかし、ブログ句会に出すのは、100パーセント自分で作ったものがいいと思います。人に直してもらった句が多くの選を受けても嬉しくはないものですから。

 今回のメールの遣り取りも、俳句の基本問題に触れていて、ブログに載せて皆さんに見てもらいたい内容になりました。申し訳ないですが、また、前回のように、ブログで紹介してよろしいでしょうか。では、では。
taiji-m * - * 15:31 * comments(0) * trackbacks(0)

第九回ブログ句会




 写真は「ウスバカゲロウ」。漢字を当てると「薄羽蜉蝣」です。変換を間違えて「薄馬鹿下郎」なんてしませんように。
 はかない頼りない感じですが、この幼虫はあの「蟻地獄」です。
 去年の八月十七日の記事に、この虫の親類を載せました。
 あれは「草蜉蝣」。(その卵が「優曇華」)。
 「薄羽蜉蝣」・「草蜉蝣」・「蟻地獄」・「優曇華」、全部、夏の季語です。






<第九回ブログ句会・選句と評>
 選は☆で示しました。△は佳作、?は質問です。
< >
は作者、( )は評者です。
※旅行帰りの狛犬さんから、選句と評が届きました。3・17・18・23に追加しました。
、今回の句会、選句、評への感想をお寄せください。

<選句と評のまとめ>

<ウーフ>
1蟷螂の子の立ち向かふ風の脚
2擬宝珠の雌蕊に風の現るる
3本殿に涼しき風の通りけり
△1、上五中七は面白いと思いますが、「風の脚」の意味が分かりません。(多美子)
☆2、擬宝珠の花をアップで撮ろうとカメラをのぞくと風が…。(多美子)
☆3、涼しい風は夏の法事には何よりの御馳走 (白い鴉)
☆3、御神体安置所以外は広々とした本殿。涼風が柱を通り抜けてゆく。(けいこ)
☆3、本殿と涼風の取合せを頂戴しました。(土曜日)
☆3、何となく漢詩にでもしたくなる情景。(狛犬)

<順一>
4無風の日止まって居ては汗が出る
5トイレ内ミニ扇風機使はれず
6蜘蛛の囲や自ら風となりて切る

<烟水>
7風受けて濃紫陽花は凛と立つ
8公園に遊ぶ母子や若葉風
9夏木立風は気侭に吹き抜ける
☆7、花色薄いのが多い中で本物に出会えた感動が素直に詠まれている。(順一)
☆8、単純ですが、素直な句です。(土曜日)
☆9、私も気儘なリラックスした気持ちになれた(順一)

<白い鴉>
10風涼し双子の眠る乳母車    
11病床の母に団扇の風送る
12風死して退屈さうな風見鶏
☆10、双子が発見です。いいです。(土曜日)
☆10、子育ては大変であろうがしばし一息つけた(順一)
☆11、優しい子供の姿が浮かびます。(烟水)
☆11、病気のお母様には、団扇風がさぞ快く、嬉しいことでしょう。(けいこ)
☆12、風がパタリと止んだ耐え難い暑さが伝わってくる。(ウーフ)

<土曜日>
13白南風や島一周の遊歩道
14風鈴や小人閑居恋心
15戦争も地震も知らず団扇かな
☆13、南の島の気持ち良さそうな遊歩道を思い浮かべました。(句猫)
☆13、小さな島の明るく爽やかな印象。こじんまりしすぎ?(うーむ)
☆13、南の小島の感じが出ている。白南風の明るさも見える。(泰二)
☆13、明るく少し閑散とした島の風景が浮かびます。(多美子)
☆14、確かに風鈴の音でそんな気持ちもある。(青子)
☆15、時事問題と、団扇の取り合わせが面白い。(青子)
△15、気になった極楽トンボ。外国では、「〜知ってる団扇かな」か。(うーむ)

<けいこ>
16明易の風破り行くオートバイ
17涼風の揺らす木漏れ日乳母車
18総立ちで終はるジャズの夜風涼し
☆16、中七が素晴らしい。オートバイに乗ってみたくなる。(うーむ)
☆17、木陰の乳母車。赤ちゃんに涼しい風が吹き木漏れ日が揺れるのどかさ。(烟水)
☆17、モネの描きそうな風景。(狛犬)
☆18、ジャズコンサートの熱気を風涼しで纏めたのが巧み。(ウーフ)
☆18、熱気に満ちた興奮の後の夜風はまた格別 (白い鴉)
☆18、季節とジャズが合う。熱い演奏と聴衆、が秋は直ぐそこに。(うーむ)
☆18、ジャズの熱狂と夜風の対比がよい。(青子)
☆18、この句は私好みの句なのであろうか。理屈抜きで良し。(順一)
☆18、興奮を静める夜風の心地よさを感ずる。(狛犬)

<泰二>
19青東風や海に伸びたる滑走路
20矢車や湖いちめんの金の波
21風鈴の舌外されしまんまかな
☆19、青空とすぅーと延びる滑走路が浮かび、気持ち良かったです。(句猫)
☆19、季語とひびき合い、中七で夏らしい景が広がりました。(けいこ)
△19、中七下五大変魅力的。「青」と「海」が近すぎ、充分に飛べない感あり。(うーむ)
☆20、爽やかな感じです。(多美子)
?20、湖は「うみ」と読むのでしょうか。(多美子)
☆21、無様な風鈴の姿に、その家の様々な人間模様を考えてしまう。(ウーフ)
☆21、風鈴の舌とは面白い。外されたままでは役に立ちませんね。(烟水)

<多美子>
22時計草伝う垣根を風が過ぐ
23うたた寝のどこか遠くで竹風鈴
☆23、情景が想像出来て竹風鈴の音色が聞こえる様です (白い鴉)
☆23、誰もが経験したことのある感覚ですね。(句猫)
☆23、竹風鈴の音がうたた寝にやさしく聞こえてきた(烟水)
☆23、竹風鈴は聞いたことがないけれど昼の夢心地が気持ちよさそう。(けいこ)
☆23、夢か現かそう言う感じが好きです。(狛犬)

<うーむ>
24白南風や赤子の足裏やはらかく
25大観の竹林渡る風涼し
26泣き疲れ昼寝せし子へ風やさし
☆24、梅雨明けの明るい風と、赤子の足裏の柔らかさとの係りが好き。(ウーフ)
☆24、白南風の明るさの中に、赤子の健やかさが感じられる。(青子)
☆24、具体的な実態感が良い。愛情も感じられる。(泰二)
☆24、白南風と赤子の足裏の取合せの妙です。(土曜日)
☆26、実景が見える様です (白い鴉)

<青子>
27風鈴の音さまよひぬ路地の雨
28風鐸は黙するものぞ青嵐
29風涼し植林の道縞模様
☆27、雨の音にかき消されるのか、響かないのか。魅力的。(うーむ)

<狛犬>
30風たちてみよ入道雲の崩れ行く
31居酒屋の暑さを送る扇風機
32風となり我夏空を遊弋す
☆30、滅多に見れない光景かと。「みよ」の言葉の勢いに惹かれた。(句猫)
☆30、堂々としたところが好きです。(多美子)
?30、入道雲は「にゅうどう」と読むのでしょうか。(多美子)
☆31、この「暑さ」は厨房の火の暑さ。場末の居酒屋の感じが出ている。(泰二)

<句猫>
33熱帯夜母の匂いとうちわ風
34夏の夜潮風かおる駅構内
☆33、母の匂いは季語から言うと違和感・重苦しさだろう。家族の現実。(泰二)
△34、次点。夏の夜やと切字を入れては?駅構内が硬い感じです。(けいこ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◎<句猫さんの質問>
素朴な疑問ですが、投句の風に色んな色がついてましたが、意味合いが異なるのですか?雰囲気ですか?風は匂いや音で表現することが多く、風そのものを言い表すのは難しいと思いました。
◎<泰二のコメント>
A「白南風」(しらはえ・しろはえ)、B「青東風」(あおごち・あおこち)のことでしょうか。Aは梅雨明けに吹く明るい南風。Bは土用のころの晴天に吹く東風です。他に「黒南風」(くろはえ)[梅雨の始め、最中に吹く黒雲を伴う風]もあります。どれも夏の季語です。
taiji-m * ブログ句会 * 09:34 * comments(1) * trackbacks(0)

第九回ブログ句会・出句集


 写真の蝶は「モンシロチョウ」です。漢字で書けば「紋白蝶」。「紋」が「白い」「蝶」ではなく、黒い「紋」のある「白い蝶」です。この反対の名付け方もあります。「紋黄揚羽」は「紋」だけが「薄黄色」の真黒な蝶です。

<ブログ俳句会の出句集>

下の作品が今回の出句です。
 この中から良いと思う作品を4句選んで、その番号をメールで送信してください。
(それぞれ30字以内の感想・批評を添えてください。)
(選句は、出句した方に限ります。)
☆選句期限 7月10日。

 ◎全ての選句をまとめ、このブログに発表します。作者名(ブログ上の仮名)も添えます。感想・批評も評者名(同前)を添えて全て発表します。

<出句集>
1蟷螂の子の立ち向かふ風の脚
2擬宝珠の雌蕊に風の現るる
3本殿に涼しき風の通りけり
4無風の日止まって居ては汗が出る
5トイレ内ミニ扇風機使はれず
6蜘蛛の囲や自ら風となりて切る
7風受けて濃紫陽花は凛と立つ
8公園に遊ぶ母子や若葉風
9夏木立風は気侭に吹き抜ける
10風涼し双子の眠る乳母車    
11病床の母に団扇の風送る
12風死して退屈さうな風見鶏
13白南風や島一周の遊歩道
14風鈴や小人閑居恋心
15戦争も地震も知らず団扇かな
16明易の風破り行くオートバイ
17涼風の揺らす木漏れ日乳母車
18総立ちで終はるジャズの夜風涼し
19青東風や海に伸びたる滑走路
20矢車や湖いちめんの金の波
21風鈴の舌外されしまんまかな
22時計草伝う垣根を風が過ぐ
23うたた寝のどこか遠くで竹風鈴
24白南風や赤子の足裏やはらかく
25大観の竹林渡る風涼し
26泣き疲れ昼寝せし子へ風やさし
27風鈴の音さまよひぬ路地の雨
28風鐸は黙するものぞ青嵐
29風涼し植林の道縞模様
30風たちてみよ入道雲の崩れ行く
31居酒屋の暑さを送る扇風機
32風となり我夏空を遊弋す
33熱帯夜母の匂いとうちわ風
34夏の夜潮風かおる駅構内

       以上です。
taiji-m * ブログ句会 * 23:11 * comments(0) * trackbacks(0)
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