<< May 2008 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

第八回ブログ句会・感想、回答



今回の写真は、3回前に出た「キアゲハ」を横から撮ったものです。この時も、なかなか飛び立たないので、庭のつつじに止まらせました。午後になって気温が上がるといなくなっていました。

 


<第八回ブログ句会・感想、回答>

 ブログ句会の作品や評について、感想、回答が
寄せられました。
 また、世話人(泰二)とのメールの交換も
ありました。

その両方を載せようと思います。(世話人)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<烟水さん>
良い句会でした。皆様の評も参考になりました。有難うございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<白い鴉さん>
7の句は尾瀬沼を思い出して作りました。[そよ風さんへ ]
(註)
>7「足元の軋む木道ちんぐるま」<白い鴉>
>7、「木道」が良く分りませんでしたが、高山に惹かれて採りました。(そよ風)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<うーむさん>
21「略図にはなきつきあたり花水木」<けいこ>
→花水木は春の季語だと思うので、選びませんでしたが、アメリカ産のあっけらかんとした花水木を巧く読んでいて採りたい句でした。

23「散り松葉祖母と二人の暮らしかな」<うーむ>
▽季語と祖母がつき過ぎ?季語にもう一工夫あれば選びたい句。(けいこさん)
[回答]この件には自覚あり。季語は高齢者の死を連想させますが、迷った上でこの季語を選びました。
満ち足りていても長くは続かない生活。武蔵野の赤松の祖母の家の思い出もあり、静かだから聞こえる屋根に降る松葉のかすかな音を選びました。

24「物理より恋が不得意パイナップル」<うーむ>
○「恋が」⇒「恋は」では。(白い鴉さん)
[回答]作るとき、迷いました。最後は感覚で選びましたが、今改めてその理由を考えてみました。
「恋は」の方が平坦、「恋が」は主語が強調され、凸凹が感じられます。「が(ga)」という音の響きにもゴツンと抵抗があり、パイナップルのゴツゴツした表面にふさわしいのではないか、だから選んだのだろうと思います。
<泰二>
「物理より恋が」の問題はもっと簡単なことです。一般に「より」と言ったら「が」で受けるのです。
A「梨より桃が好き」、B「梨より桃は好き」。Bはどう見ても変です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<泰二より多美子さんへ>
 多美子さんの句、今回は無点でしたね。句会での得点は、その度のばらつきがあり、細かく気にする必要はないのですが、反省のきっかけにはなります。

 今回の貴句、
>1苔の花賑わしきかな雨の朝 
>2やぶからし伸びて面目躍如たれ
二句に共通の欠点があります。
1、「賑わしきかな」 2、「面目躍如たれ」
物の状態ではなく、作者の主観が生で述べられています。

俳句の読者は、作者の思いを作者から聞かせてもらいたいのではなく、自分で見つけたいのです。その楽しみを奪っては、そっぽを向かれます。この件については、ブログの07年11月24日の「俳句と理屈」の記事のうち、青色の部分をご覧ください。

<多美子さん>
 自分の俳句にはもちろん迷いがあり、「賑わしきかな」なんて自分でもあまり使ったことのない言葉で、少々無理があるし、意味不明な感じもしました。何か変な感じがしていたのですが、泰二さんの説明で、変な感じがした理由も少し分かった気がします。
 雨の朝にゼニゴケの雄株雌株の群落が濡れていて、何も言わないけれど、苔は嬉しいんだろうな…と思ったのでつくったのですが、それは私の感じた事で、「雨やんで水滴光る苔の花」のような方が、生の主観が入らないで読みやすいのかもしれないということでしょうか。

 多分一人でやっていただけなので、「思いて学ばざればすなわちあやうし」のような状態だったと思います。今までもずいぶん主観的だった気がします。

 すみませんが、あやうしついでに、今回参加させていただいて率直に感じた疑問を書かせてください。

 24のパイナップルの句は、そこでなぜパイナップルが出てくるのか、非常に唐突な感じがして、パイナップルでなくてはいけないのか、と疑問に思っていましたが、選んだ人が沢山いて、一番に選んだという人もいたので、ついていく自信がちょっとなくなりそうでした。
(取り合わせが面白いと思うかどうかは、自由だろうとは思いますが。)

[もしかしたら「パイナップル」の思い浮かべ方の違いではないでしょうか?果実まるごとが浮かぶか、食べるように小さくきったものが浮かぶかでイメージは異なります。多美子さんはどちらでしたか?](泰二)

それから、8番 向日葵の「むんずと掴む」、とか 17番 大手鞠の「おほらか」とかを読んで、選びたくなかったのは、「俳句の読者は、作者の思いを作者から聞かせてもらいたいのではなく、自分で見つけたいのです。」という理由だったのだな、と納得しました。
 作者がそう感じているだけで、自分はそう感じないときには、(作者の思いと、自分のその植物に対する思いが違う時には)、共感はなくて、違和感が残るのだなという事が少し分かりました。読者もそう思ったていたときには共感するんですね。
[私は、その思い(イメージ)が共通でも、生で言われると拒絶したくなります。どう感じるかは読者の勝手なので、作者に鼻面を取って引きずり廻されたくないのです。](泰二)

 今回自分で好きな句だと思ったのは3と16です。16番 バッハの句を選んだのは、主観の押し付けがなく、「そうそう、そういうことよくある。」という共感をしたせいだったのかと気が付きました。

 読者の立場に立てば、主観の押し付けは歓迎できないということ。そういえば今まで、そういう主観の押し付けみたいな俳句も沢山つくったなー、と反省しました。

「俳句と理屈」は提出前に読んでいたのですが、読んだ事と今回の自分の句とはなかなか結びつかなかったです。(なかなか自身の問題にまで戻せなかったということです。) こうやって言って頂くとありがたいです。それに、メールだと、頂いてから自分でも色々考える時間ができていいなと思いました。 まためげずに、つくってみようかと思っていますが、今後ともよろしくお願いします。

<泰二>
貴句、「苔の花賑わしきかな雨の朝」の「賑わしきかな」を、具体的に表現するには、「雨やんで水滴光る苔の花」では、不充分です。「雨やんで」が説明だからです。「雨粒の光を載せて苔の花」くらいに、ぎりぎりまで、必要な最少の素材に絞り込むといいでしょう。現在、雨が降っているのかどうかも読者に任せてしまえばいいのです。
 主観的な生の表現を避けるというのは俳句の初歩として、有効な定石です。しばらく、守るといいでしょう。
 しかし、俳句には絶対はありません。「谺して山ほととぎすほしいまま・杉田久女」、「いきいきと三月生まる雲の奥・飯田龍太」は名句と定評があります。
 多美子さんのいうように「ここが変だなと感じて、考えたら、主観的表現だった」という時は止めた方がいいのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<けいこさん>
2「やぶからし伸びて面目躍如たれ」の「やぶからし」は、秋の季語ですから、これは秋の句では?

10「検眼を終わりて見やる藤の揺れ」
11「筍を切りて夕餉の支度かな」
16「若葉雨ネットに飽きて聴くバッハ」
この三句、何々して何々をするという形は、時間の推移そのままで、表現したいことが、分散されます。印象的な句には なりにくいと思いますが、どうでしょうか?

19「海風を通す藤棚立夏かな」藤棚は、夏の季語ですから季重ねになるのでは? 気持ちのよい句なので、ほかの言葉が欲しいですね。

20「蔓薔薇や石の人魚の寂れたる」 私の句、やはり言いすぎですね。<石の人魚の渇きをり>と推敲してみました。
taiji-m * ブログ句会 * 22:53 * comments(1) * trackbacks(0)

第八回ブログ句会・選句と評。

今回の写真は「アゲハ」です。これも、越冬させた蛹から羽化しました。すぐには飛び立たないので、庭に出してやる途中の写真です。

<第八回ブログ句会・選句と評>
 選は☆で示しました。< >は作者、( )は評者です。
 無点句は掲載しませんでした。
、今回の句会、選句、評への感想をお寄せください。

<泰二>
「ひとところ風のあつまる植田かな」
☆風の道筋が分かる水田、爽やかな初夏の景。(うーむ)
☆植田に風が渡り、次々と苗がそよいでいるようで爽やかです。(多美子)
☆さらりとした詠みぶりが羨ましいです。(土曜日)
「陽の石祀られてある青葉かな」
☆祀られた石の男根と周囲の青葉におおらかな生命力を感じる。(ウーフ)

<白い鴉>
「風筋のいくつか通る夏木立」
☆初夏の涼やかな感じがよく出ていて大変好もしい。(順一)
☆風筋と夏木立の取り合わせ、上手な句です。(土曜日)
☆木立の中を幾筋かの風が吹いていると感じている。(烟水)
「足元の軋む木道ちんぐるま」
☆「木道」が良く分りませんでしたが、高山に惹かれて採りました。(そよ風)
「向日葵のむんずと掴む陽の光」
☆中七が花の姿にぴったり。盛夏特有の力を感じる。(うーむ)

<烟水>
「帰る子を送る夕べの牡丹かな」
☆別れを惜しむ親心が詩的に表現されている。(そよ風)
☆少しの寂しさと、花に囲まれた静かな自分の時間がもどる。(多美子)
☆一日が終わろうとしている時の牡丹の花は美しく思えるのだろう。(順一)
☆帰る子を送る寂しさと、夕牡丹の静けさとの微妙な調和がよい。(けいこ)
☆季語が効いてます。洗練された叙情です。(土曜日)
「検眼を終わりて見やる藤の揺れ」
☆花がことさら美しく見えるときの一場面ですね。(青子)
「筍を切りて夕餉の支度かな」
☆確かな生活感が季節のものと共に感じられる。(順一)

<ウーフ>
「万緑へ光は高きみ空より」
☆宇宙から全ての命を育む太陽。常識だが大いなる不思議。(うーむ)
☆緑の木々に光が万遍なく差している。(烟水)

<土曜日>
「若葉雨ネットに飽きて聴くバッハ」
☆確かに!自分にもある日常のひとこまがすっきり。(多美子)
☆安らぎのバッハ、しかも雨、新緑の季節で成長を予感させる。(順一)
☆雨の日、パソコンに飽きてしまったので、音楽を聴いている。(烟水)
「おほらかが好きです私大手毬」
☆一気に宣言した上5中7と季語との取合せに惹かれる。(ウーフ)
☆花の名が合って、散文風俳句?の良さが愉しめました。(そよ風)
☆上五でほのぼのとした気持ちになります。(白い鴉)
☆この句では、「おおらか」がよい。楽しい擬人法だと思う。(けいこ)

<そよ風>
「造船所のクレーン空に楠若葉」
☆楠若葉は、巨大クレーンの動きによく似合うと思う。(青子)
☆クレーンと楠若葉との取り合わせが良い。上五は不要?(泰二)
「海風を通す藤棚立夏かな」
☆爽やかな初夏。藤の葉のやさしい音を聞く歓び。(うーむ)

<けいこ>
「蔓薔薇や石の人魚の寂れたる」
☆近くのチボリ公園に同様の景がありますので惹かれました。(そよ風)
☆小説の舞台の、さびれた洋館の庭に迷い込んだようです。(多美子)
☆情景も情緒も出ている。下五は言い過ぎでは?(泰二)
「略図にはなきつきあたり花水木」
☆日常の一景を斬新に切り取った。季語の花水木もいい。(ウーフ)
☆楽しい句です。略図でも突当りの表示が欲しいですね。(白い鴉)
☆不意打ちの美しさ。うれしさが増す。(青子)

<うーむ>
「散り松葉祖母と二人の暮らしかな」
☆散り松葉が祖母との暮しの穏やかさ静かさと良く合っている。(泰二)
▽季語と祖母がつき過ぎ?季語にもう一工夫あれば選びたい句。(けいこ)
「物理より恋が不得意パイナップル」
☆物理と恋の取り合わせ!なるほど!「恋が」⇒「恋は」では。(白い鴉)
☆恋とパイナップルの取合せは普通、物理が加わって面白くなった。(青子)
☆異性への不器用さと、パイナップルのごつごつ感が合っている。(けいこ)
☆一番に選んだ句です。パイナップルがなんともいいです。(土曜日)
☆面白い感覚だ。やや観念的なところが弱点だが・・・。(泰二)
「雨上がり月光めざす純白の薔薇」
☆薔薇の花が月の光を見ているようだ。(烟水)

<順一>
「大輪のカサブランカは百合の花」
☆下5が生きています。平明な良い句と思います。(白い鴉)

<青子>
「霊峰をくぐりし水の花藻かな」
☆柿田川の清流が思い浮かぶ。澄んだ空気も感じられる。(ウーフ)
☆忍野八海か、富士五湖の一つ?清潔感に好感が持てた句。(けいこ)


  以上です。
taiji-m * ブログ句会 * 22:00 * comments(1) * trackbacks(1)

第八回ブログ句会・出句集

 ☆前回に引き続いて、「キアゲハ」です。これも同様に越冬飼育したのですが、3日遅れて、羽化しました。なかなか飛び立たないので、庭のさつきに止まらせてやりました。翌日の昼近く、どこかに行きました。

<ブログ俳句会の出句集>

下の作品が今回の出句です。
 この中から良いと思う作品を4句選んで、その番号をメールで送信してください。
(それぞれ30字以内の感想・批評を添えてください。)
(選句は、出句した方に限ります。)
※お一方の出句を載せ洩らしておりました。申し訳ありません。追加掲載させていただきます。29〜31です。既に選句がお済みの方は、もう一度見直してください。(泰二)
 ☆選句期限 5月9日。

 ◎全ての選句をまとめ、このブログに発表します。作者名(ブログ上の仮名)も添えます。感想・批評も評者名(同前)を添えて全て発表します。

<出句集>

1苔の花賑わしきかな雨の朝 
2やぶからし伸びて面目躍如たれ
3ひとところ風のあつまる植田かな
4陽の石祀られてある青葉かな
5しらじらと眠れぬ夜や竹夫人
6風筋のいくつか通る夏木立    
7足元の軋む木道ちんぐるま
8向日葵のむんずと掴む陽の光
9帰る子を送る夕べの牡丹かな
10検眼を終わりて見やる藤の揺れ
11筍を切りて夕餉の支度かな
12若葉風牛がそつぽをむいてゐる
13万緑へ光は高きみ空より
14薄紅のまま空にあれ桜の実
15著莪咲いてこの世は愛の遊園地
16若葉雨ネットに飽きて聴くバッハ
17おほらかが好きです私大手毬
18造船所のクレーン空に楠若葉 
19海風を通す藤棚立夏かな
20蔓薔薇や石の人魚の寂れたる
21略図にはなきつきあたり花水木
22芥子いろいろ気まま向くまま挿されをり
23散り松葉祖母と二人の暮らしかな
24物理より恋が不得意パイナップル
25雨上がり月光めざす純白の薔薇
26大輪のカサブランカは百合の花
27鉄線の白や紫咲き誇り
28青い花ヤグルマギクと言へばノヴァ
(ノヴァーリスの「青い花」は
矢車菊の事だと知りました)
29柿わかば碑陰武将を語りけり (関ヶ原にて)
30夏草や山岳寺院塔の跡
31霊峰をくぐりし水の花藻かな
以上です。

taiji-m * ブログ句会 * 17:55 * comments(2) * trackbacks(0)
このページの先頭へ