<< March 2008 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

俳句:楽しむOR修行する


 今回の写真は庭の「貝母」です。別名は「網笠百合」ですが、その名の由来は右上の写真(真下から写したもの)でお分かりかと思います。(この網目を虚無僧の被っていた網笠に見立てたもの)


<投句を→楽しむ?修行する?>
☆<多代子さんのコメント>
 はじめてこちらにうかがいます。
 ブログ上で句会というのがとても興味深く、楽しんで読ませていただきました。
 俳句は、何度か作ったことがあるくらいで、きちんと勉強したことがありませんが、今度こちらに投句させていただいてよろしいでしょうか。次の句会はいつでしょう?

☆<泰二の返信メール> 
 ご参加、大歓迎です。
 ブログ句会は、奇数月ごとに行っています。
次回は、5月1日(木)に課題発表。出句は3句までです。締切は5日(月)24時。その後、選句と評を送っていただきます。
 ブログを遡って、以前の句会を見ていただければ、課題の傾向、参加者のレベルなど分るかと思います。
 5月までは、間がありますので、小手調べに、3月の題「虫に関係のあるもの」で作ってみませんか?メールで送ってくだされば私の感想など申し上げたいと思います。

☆<多代子さんのメール>
 「虫」ということで、思いつきました2句を送ります。
A「中級者コース雪虫転びたり」
B「春の蚊も音符のひとつ弦合奏」
 Aは、先日スキーに参りました時のこと、Bは、私の参加している合奏団(アマチュアですが)の練習中のことです。
 俳句の基本は写生、ということですが、写生の中に何らかの心の動きを、というのは、やはりなかなか難しいですね。
 ご批評いただければ幸いです。

☆<泰二の再返信メール> 
 貴句二句を拝見した感じでは、俳句に面白さを求めていらっしゃるように感じました。また、発表歴があまりないとおっしゃる割りに、上手にまとめていて、才能を感じました。
 ブログ句会は、様々な方の集まりで、俳句観も皆別々です。どちらかというとその場を楽しめばいいと言う方が多数派です。多代子さんも、それが望みでしたら、今のままで、充分、ブログ句会を楽しめ、高点が取れると思います。
 しかし、本格的に俳句を修行したいなら話は別です。
 その視点で、感想を述べると、貴句A・Bとも、理屈が目立ちます。
A、中級コースだから、転んでしまった。
B、蚊が楽譜にとまったので音符と紛らわしかった。
 この理屈を取り去ると、
Aの句は、雪虫が出てきて転んだ。
Bの句は、合奏の楽譜に春の蚊がとまった。
という内容になるでしょう。
 どうして、本格的な俳句では理屈を嫌うのか、それは、このブログでも何回か扱っています。右側の「categories」の「俳句と理屈」をクリックして、ご覧ください。
taiji-m * - * 21:07 * comments(0) * trackbacks(0)

第七回ブログ句会の感想


写真は「春蘭」です。庭の岩陰に毎年咲きます。おとなしそうで、結構強い草みたいです。
<第七回ブログ句会の感想>
 ブログ句会の「選句と評」発表後、幾つかの感想が寄せられました。
◎<青子さんの自作の感想>
 17「亀も鳴け父の祝いの大酒宴」
 例句を調べてみると、亀が鳴いたといっている句はほとんどありませんでした。(実際鳴かないのですから)
 初案は「亀鳴くや父の祝いの集合写真」だったのですが、鳴くということから逃げてみました。期限は迫り、やけくそ気味な句になってしまいました。
 難しい季語だけれど、使いたくなる季語です。
 「飯どきや亀の鳴かうと鳴くまいと(飯島晴子?)」が好きです。
 <泰二の返信> 実際に亀が鳴かないのは周知のことですが、「蚯蚓鳴く」と同様、情緒のある良い季語だと思います。私の手持ちのいくつかの歳時記の例句は、亀が鳴いている方が多数派です。
 貴句のいいところは、古来の「亀鳴く」の情緒を飛び越えて、大宴会に合わせて威勢良く唄わせたところにあります。季語の新しい一面を開いたといえるでしょう。
<けいこさんの感想>
 面白かったのは、青子さんの「亀も鳴け父の祝いの大酒宴」でした。
 亀鳴けりという季語は、私はどうしてもはかない微妙な空間や時間や心情やそれとなく感ずるユーモアなどを感じます。季語を飛躍させ、にぎやかな酒宴とあわせたことに驚き、うらやましく感じました。

◎<うーむさんの自作の感想>
 13「ベートーベンのくせっ毛からかふモンキチョウ」
 13▽字余り過ぎ。「モンキチョウベートーヴェンの癖っ毛に」では?(泰二)
※ご提案ありがとうございます。ベートーヴェン、これは確かに「ヴェ」が良いですね。「べ」では、リズム、悪いです。
 添削して頂いた句は、茶目っ気より品格が勝ち、芸術的には好ましい句だと思います。
原句だと、短気な大作曲家が拳をふりまわし、行儀の悪い言葉を吐き、蝶を追い払うシーンが浮かびます。そんな一面を持ちながら、この世の創造主と対話をする様な音楽を残したベートーヴェンをこよなく愛しております。
 後期聴力を失っていた頃には蝶が頭の周りを飛んでいても、気がつかなかったかも。蝶達は平和に遊べたことでしょう。大傑作を生んだ後期には提案句が合います。

 15「海神の虹をあづかる栄螺かな(海神=わたつみ)」
 ☆はっきりと句意を掴めないが何故か心惹かれる。(ウーフ)
※栄螺の殻の中が虹色に光っているのは、海の神様から預かっている虹だという、ふと思いついたお伽話です。蛤が蜃気楼を作るなら、栄螺が海の虹を吐き出してもいいでしょう?

◎<ウーフさんの句・意見交換>
5「蛇穴を出でジャケットを新調す」
 ※「蛇穴を出づ」は春の季語ですが、「蛇衣を脱ぐ」は夏の季語ではないでしょうか。(青子さん)
 ※「ジャケット(ジャケツ)」は冬の季語です。(泰二)
 ※<ウーフさんの回答>
 ○衣を脱いだのではなく、真新しい上着を着て蛇が穴から出てきたと捉えたつもりでした。
 ○勉強不足で「ジャケット」が冬の季語とは知りませんでした。「上着を」とでも直しましょうか。

◎<そよ風さんの自作の感想>
16「鳴けぬ虫の黄砂にくしやみする日かな」
 上五は、具体的な虫の名にしたかったのですが、大抵の虫は季語なので季重なりになってしまいます。「もぐら」も考えたのですが、「虫」ではありません。ただの「虫」では秋の季語です。困りました。
 ※「団子虫」はいかがですか。季語ではありません。(泰二)

◎<泰二の「虹」「蜃気楼」について>
 ※両者とも「虫」ではなく、光の現象なので出題の意図に外れるのでは?(Kさん)
 ※「虹」は虫偏なので虫に関係するのかと漢字字典を見たのですが分りませんでした。(Aさん)
 ※「虹」?「蜃気楼」?と首をひねっておりました。(Uさん)
 ※「蜃気楼」と「虹」の句を見たときに、ルール違反ではと思いました。(Uさん)

※題詠に取り組むとき、大きくいって、二つの態度があると思います。一つは正統派。句の完成度を求める詠み方。もう一つは、遊戯派。飛躍や捻りをたのしむ詠み方。私はどちらもやってみます。今回も、「虹・目借時・蜃気楼」の他、「貝寄風」「蝮蛇草」「ゴジラ」などを考えていました。(泰二)

◎<「横浜緋桜」について・うーむ>
本屋で立ち読みをしていたら、家庭画報4月号に、「横浜緋桜」を生み出した白井勲氏の記事を見つけました。「染井吉野から百数十年経った今でも、染井吉野を超える桜がつくられていないのは不思議。染井吉野を超える日本を代表する桜をつくりたい。」という思いで、作り出した品種だそうです。

taiji-m * ブログ句会 * 15:00 * comments(1) * trackbacks(0)

第七回ブログ句会・選句と評






◎写真は庭の「ぼけ」です。
 気の毒な名前ですね。
 漢字では木瓜。
 これも昨年の写真です。









 <第七回ブログ俳句会・選句と評>
 ◎以下、<>は作者名。 「 」は出句。☆は選。( )は選者名。▽は、質問・批評、です。

<白い鴉>
「初蝶の越ゆるに広し大井川」
☆「越ゆるに広し」が句の詩情を豊かにしている。(そよ風)
☆ダムで水量の減った大井川なら、蝶も飛び越せるかも。(青子)
☆大小の対比が鮮やか。蝶が川に落ちないことを祈ります。(ときお)
「蛤の殻に絵を描く童かな」
☆童は貝殻にどんな絵を描くのだろう?と引き込まれる。(そよ風)
☆将来は源氏を書いてもらいたいですね。(ときお)

<ウーフ>
「遊び子の王様となる蝌蚪の国」
☆王様になった気分が微笑ましく、表現力の羨ましい句。(そよ風)
「蛇穴を出でジャケットを新調す」
☆楽しい句ですね。「を」が気になります。(白い鴉)
「啓蟄やゆつくりと来る救急車」
☆ゆっくり走る救急車の大事でないおかしさ。啓蟄に合う。(うーむ)

<ときお>
「蜜蜂の縄張り内の銀座かな」
☆都会の逞しい自然。俯瞰した銀座の光景、風を感じる。(うーむ)

<けいこ>
「上流の巨石を屋根に蝌蚪の国」
☆流れの緩い所にお玉杓子の集る様が出ている。(泰二)
▽「上流」は不要。「川中の」くらいでは?(泰二)
「春の蚊や花新しき無縁仏」
☆無縁仏へ供花する人の心。春が効果的。(うーむ)
☆春になるとすぐ蚊が出てきそうな無縁仏の場所が目に浮かぶ。(狛犬)
「全快の朝餉に啜る蜆汁」
☆「全快の」によって、情感が納得出来る。(そよ風)
☆すする蜆汁に、全快の喜びがある。(青子)
☆病が治ってすがすがしい気分と蜆汁が妙にマッチしている。(狛犬)

<うーむ>
「ベートーベンのくせっ毛からかふモンキチョウ」
☆空想の飛躍が面白い。(バッハ、ハイドンまでは鬘だったし)(泰二)
▽字余り過ぎ。「モンキチョウベートーヴェンの癖っ毛に」では?(泰二)
「あかんぼの額の朱文字亀鳴けり」
☆赤ちゃんの成長を祈るほほえましい神事。俳諧味がある句と思う。(けいこ)
☆地元の人には敬虔な神事だが他者からは?!。下五が利いている。(泰二)
「海神の虹をあづかる栄螺かな(海神=わたつみ)」
☆はっきりと句意を掴めないが何故か心惹かれる。(ウーフ)

<青子>
「亀も鳴け父の祝いの大酒宴」
☆祝福の気持ちが出ている。田舎の感じも。「亀は万年」も匂う。(泰二)
☆亀は万年の願いを込めて!「大」を取った方が良いのでは。(白い鴉)
「還暦の吾いとおしき蜷のみち」
☆必ずしも平坦でなかった蜷の道のような人生。みちは道にすべき。(けいこ)

<狛犬>
「昼寝する獅子の瞼に春の蝿」
☆昼寝は夏の季語。うたた寝のでは?巨体の寝姿の瞼が効いている。(けいこ)
☆獅子と蝿の取り合わせ良い。春のゆったり感が効く。(うーむ)
☆のんびりとした動物園の一景が目に浮かぶ。(ウーフ)
☆獅子の昼寝を妨げると後が怖いぞう。(ときお)
☆獅子の長閑な景が見えます。昼寝の時でも目は開いている?(白い鴉)
「事も無し猫の昼寝に蛇の恋」
▽「蛇」は夏の季語なので、春の句という課題に合わないのでは?(けいこ)

<泰二>
「春の虹童話の中のやうな駅」
☆道の駅でしょうか。上五で楽しさが出で居ます。(白い鴉)
「目借時クッキー焼けてゐる香り」
☆クッキーの焼けゐる香り目借時では?春らしいのどかな句。(けいこ)
☆目借時の季語とクッキーの焼ける匂いの取合せの妙。(ウーフ)
☆うららかな午後、こんな時間もありそうな。(青子)
☆のんきな雰囲気を感じます。蛙の型のクッキーがあったりして。(ときお)
「二三日帰らぬ猫や蜃気楼」
☆コントラストの妙に敬服。(ウーフ)
☆猫と蜃気楼がどう関係するのか、それを想像するのも良いのでは。(狛犬)
▽「春の虹」・「蜃気楼」。両者とも光の現象なので出題に外れるのでは?(けいこ)

<羽也>
「花二輪虻の天下となりにけり」
☆まだ花の少ない時期ならでは。(青子)
☆花が咲き始めると煩い虻が出てくる、良くある風景。(狛犬)

<世話人から>
 この「選句と評」の御感想・御意見をお寄せください。

<世話人の一言>
 昔、中国では、生物を「鳥・獣・虫・魚」の四つに分類していました。そして「鳥・獣・魚」のどれにも入らないものを「虫」としました。それは、漢字に現われています。
 蛙(両生類)、蜥蜴(爬虫類)、昆虫・蜘蛛(節足動物)、蛤(軟体号物)、蚯蚓(環形動物)など、皆、虫が付いています。(もともと「虫」は蛇の象形文字です。)
 「虹」は竜みたいな生き物の胴の部分だと思われました。「蜃気楼」の「蜃」は巨大な蛤。それが吐き出す息の中に浮かぶ建物が、「蜃気楼」です。

taiji-m * ブログ句会 * 22:03 * comments(0) * trackbacks(0)

第七回ブログ句会・出句集

庭のクロッカスです。今年は二月が寒かったせいか、まだ出てきません。これは昨年の写真です。
 <ブログ俳句会の出句集>
下の作品が今回の出句です。
 この中から良いと思う作品を4句選んで、その番号をメールで送信してください。
(それぞれ30字以内の感想・批評を添えてください。)
(commentsから送信する場合は、メールアドレスを添えてください。アドレスの分らない方からの出句・選句はお断りします。)
 ☆選句期限 3月9日。

 ◎全ての選句をまとめ、このブログに発表します。作者名(ブログ上の仮名)も添えます。感想・批評も評者名(同前)を添えて全て発表します。

<出句集>
1啓蟄や団地主催のどぶ掃除
2初蝶の越ゆるに広し大井川
3蛤の殻に絵を描く童かな
4遊び子の王様となる蝌蚪の国
5蛇穴を出でジャケットを新調す
6啓蟄やゆつくりと来る救急車
7亀鳴くや藻屑と消えし親子船
8蜜蜂の縄張り内の銀座かな
9畑返す虫逃げ切れぬ椋鳥の群れ
10上流の巨石を屋根に蝌蚪の国
11春の蚊や花新しき無縁仏
12全快の朝餉に啜る蜆汁
13ベートーベンのくせっ毛からかふモンキチョウ
14あかんぼの額の朱文字亀鳴けり
15海神の虹をあづかる栄螺かな(海神=わたつみ)
16鳴けぬ虫の黄砂にくしやみする日かな
17亀も鳴け父の祝いの大酒宴
18蛤の芥はかせる塩かげん
19還暦の吾いとおしき蜷のみち
20我が首を引きちぎらんと春の蝿
21昼寝する獅子の瞼に春の蝿
22事も無し猫の昼寝に蛇の恋
23春の虹童話の中のやうな駅
24目借時クッキー焼けてゐる香り
25二三日帰らぬ猫や蜃気楼
26花二輪虻の天下となりにけり
27蜆汁干す朝さてとキルティング
28骨を折る車うっすら春の虫
 以上です。
taiji-m * ブログ句会 * 11:29 * comments(0) * trackbacks(0)
このページの先頭へ