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ブログ投句への感想交流

写真は狛犬さんから寄せられた「紅白彼岸花」です。他の方も、ブログに使える写真(花か虫)がありましたら、メール添付でお寄せください。採否の判断はお任せください。

※<この写真に、次のコメントがありました。>
 狛犬さんへ
私は泰二さんと同じ「ぬかご」の同人です。このブログをいつも拝見していますが、今回の曼珠紗華の写真があまりに美しく、気に入りましたので、パソコンの壁紙としてコピーさせていただきました。事後のお願いになりましたがお許しください。(A.Y.)

<感想の交流>
ブログ句会の出句者で、アドレスが分っている方には、その方の出句への感想メールを差し上げています。今回はそのメールに、さらに感想の返信をくださった方お二人との交信を、紹介します。
※<泰二→狛犬さん>
ブログ句会の貴句についての感想です。
A「ドングリを焼いて食わせる峠茶屋」(狛犬)
B「卑猥なり破芭蕉の花葉陰より」(〃)
C「身もだえし何が苦労のアロエかな」(〃)
A、この句、狙いは悪くありませんが、難しい題材なので、技術的な困難があります。
このままでは、焼き団栗をかじりながら山中だよなぁと感じている気持ちが、読者には届かず、「珍しく焼き団栗を食わせる峠茶屋がありました」という報告としか受け取られないでしょう。
B、この句で言いたいのは「卑猥なり」ですから。それを言ったら万事お仕舞です。
これを読者に感じてもらうにはどうすればいいか、その工夫が大切です。
C、この句でも「何が苦労」が言いたいことです。だから、それを言わずに、読者に「このアロエは、何だかくるしそうだなぁ」と思ってもらえるように、情景を作ってゆく工夫をしてください。「アロエが身もだえしている」という把握は良い方向だと思います。

※<狛犬さん→泰二>
Aのドングリの句、実際に詠んだのは真夏で、御嶽山に昇ったところ「夏ばてに効きます」ということで焼きドングリが売られていたのでした。この句の真意は、まさに泰二さんが言われた「珍しく焼き団栗を食わせる峠茶屋がありました」という報告です。それ以外に読者に感じてもらいたい事があるといえば、真夏の登山で峠についたときの疲れと、ホッとした気分ですが、「ドングリ」という季語が邪魔をしてそう言う感覚を伝えるのはなかなか難しいです。まさに技術的に難しい題材であることがよく分かります。
Bの芭蕉の句については泰二さんのお言葉の通りでしょう。しかし、言外にほのめかすのは、今の私には難しすぎる高度な技術と思います。
C、アロエは勝手に身をよじっているだけで本当に苦しがっている訳ではないでしょう。私の伝えたかったのは、実際には苦しがってもいないアロエが苦しんでいるように感じてしまった自分の心の中を伝えたかったわけで、これは自分では結構ほのめかしたつもりで悦に入っていたのですが。
アロエについては別に句を作りました。どちらを出すか、苦慮しましたが、「何が苦労の…」という言い回しが常套的ですが、なにかシニカルな感じが自分でも気に入って結局のこの句を出すことにしました。蛇足ですが、その別の句を上げておきます。
●「絡まりて自ら棘刺すアロエかな」

※<泰二→狛犬さん>
貴メール、俳句に正面から、がっぷり取り組んで力戦奮闘している様子がよく分ります。
少し手助けをしましょう。
Aの団栗の句は、一番言いたいこと=「焼き団栗の効能と、登頂の苦しさの組み合わせ」だけに絞って、あとは捨てるとまとまるでしょう。
例えば「焼き団栗食って胸突き八丁へ」
Cのアロエの句では「何が苦労の」と言った途端に、仄めかしでは無くなってしまうので、ここが我慢のしどころだと思います。
「絡まりて自ら棘刺すアロエかな」この句の方が、見た通りを詠んでいるので、自分の思い込みを押し付けなくて済みます。しかし「絡まりて」は原因の説明です。これが理屈になっています。これを捨てれば「自らを棘刺してゐるアロエかな」で、すっきりすると思います。
それにしても、君のメールにはいつも俳句の基本問題を突きつけられます。真正面からぶつかっているからでしょう。これからも、どんどん、意見を寄せてください。

※<泰二→句猫さん>
A「踏みしめるリハビリの足葛の花」(句猫)
B「綱渡り南瓜色付くカラの車庫」(〃)
C「空の下金柑ひとつ坂の途中」(〃)
Aの句は一点しか入りませんでしたが、句はもっと上だと思います。地味なテーマなので、こういう句会では損をしています。句の形としては、定石に添って、まとまっています。しかし、内容も地味なので、動きのある形にした方がいいでしょう。
「リハビリの足踏みしめて」と、動詞を活かす形です。季語も、もう少し明るいものではどうでしょう?そうすると、歯を食いしばっての頑張りだけでなく、希望を持っての積極的なリハビリの表現になります。
 
Bは意味が分りにくい句です。私の想像では、空の車庫に南瓜の蔓が入り込んで、反対側まで届き、途中に南瓜が生ってぶらさがっている、という情景じゃないでしょうか?
 俳句では、一番面白いと思ったところ一つ以外は、なるべく言わない方がいいのです。この句では「色付く」は無い方がいいでしょう。その4字分を「南瓜の綱渡り」の描写にまわすと、もう少し分り易い句になるでしょう。「カラ」はやはり漢字を当てた方が分り易いです。「空」で分り難ければ「空ら」としてもいいのです。

Cの句の写生の姿勢は悪くありません。ただ、全部言い過ぎて焦点がぼけてしまいました。中心は「金柑ひとつ」でしょうから「坂の途中」は捨ててしまいなさい。
 こうしてみると、「句の中心に集中した詠み方を」というのが君の句への注文ということになるのでしょう。
 言い換えれば、「余分なものを捨てる努力を」ということになります。

※<句猫さん→泰二>
余計なものを捨てるんですね〜
対象を追求し切れてないせいでしょうか、五・七・五が余ることがあります。その余りを埋める言葉が焦点をぼかしてしまうのかも知れません。
ともかく、捨てる努力をしてみます。

Aの「葛の花」は、足元に集中して歩いていて、実際に葛の花の甘い香りがしたので、外せなかったんです。その時の気分は出ていると思います。
明るい句にしたかったら、季語を替えればいいのですね。
動詞の遣い方で、印象が変わり、それだけで、軽やかさが出ることに驚きました。

ところで、葛の花は冴えないけど、甘い香りが私には印象的なのですが、一般的にはどういう感じで見られているのですか?

Bの南瓜の句は、やっぱりなぁでした。実際は、その家の人が車をどこかに移動して車庫をカラにし、綱を張って南瓜を伸び伸び這わせているのです。
勝手に蔓が入り込んできて…と思うのが、普通なので、「這う」という言葉は使わない方がいいな等、グダグダ考えたのですが、やっぱり無理でしたね。
「南瓜のために!!で、車をどこにやったの?!」と笑えたのですが、それを伝えるのは難しいですね。

Cの金柑の句は、小さな金柑の実が、行き先知れずにどこかに向かってるのが、なんか孤独な感じがして、大小の対比と寂しさをうまく出せないかな〜と思ったのでした。

※<泰二のコメント>
句猫さんのメールにお応えします。
A、「葛の花」のイメージについてのご質問ですが、こういう時は、歳時記の例句を読むといいのです。(出来れば数種類の)。私の手持ちのでは、
「葛の花くらく死にたく死にがたく・渡辺白泉」
「白昼の闇したがへて葛咲けり・松村蒼石」
など、暗いイメージのものが多いです。匂いの句は少なく、一冊に一句あるかないか、です。
「葛の花のにほひの風を過ぎて知る・篠原梵」
葛の花に元気付けられたことを読みたかったら、「リハビリの歩行に葛の花かをる」とか、工夫が必要でしょう。

B、句猫さんの返信を読んでいるうちに、疑問が湧きました。「日差しのない車庫の中に南瓜が実るか?」。もしかすると、駐車場と呼ぶほうがいい場所なのでは?

C、金柑の孤独を詠みたいなら、「金柑の一粒空に囲まれて」とか「空に囲まれ金柑のただ一顆」など、とにかく、必要な要素だけの組み合わせで試してみてください。

taiji-m * ブログ句会 * 18:00 * comments(0) * trackbacks(0)

ブログ句会(第四回)選句と評のまとめ

写真は前回に続いて「アゲハ」ですが、違いがあります。今回のは後羽に赤い紋があります。前回のは雄。今回のは雌です。

<ブログ句会(第四回)選句と評>

◎5点「風入れて湯殿掃除や白木槿<けいこ>」
☆槿を揺らした風も通り抜けたのでしょうか。(句猫)
☆湯殿掃除には窓の開放が肝心。窓外の槿の白さが涼しげだ。(ウーフ)
☆すがすがしい気分になります。私なら「湯殿の掃除」としたい。(白い鴉)
☆癒しの風情結ぼれり(蚕豆)
☆「風入れて」の具象性が中七も下五も活かしている。清清しい。(たいじ)

◎3点「蔵窓の開けられしまま花芒<ウーフ>」
☆蔵窓にも花芒にも風を感ずる気持ちのよい句(けいこ)
☆蔵の虫干し、晴れた空、爽やかな風に芒が揺れている。(うーむ)
☆薄に蔵の白壁。絵のよう。蔵の窓を蔵窓はちと無理では。(弓子)

◎3点「松茸は外国生まれ土瓶蒸し<ときお>」
☆外国生まれでおもしろい句になりました(けいこ)
☆外国産でも土瓶蒸の味はたいした代わりは無い(烟水)
☆外国産でも土瓶蒸しです。それなりの香りもしますね。(白い鴉)

◎3点「ねじ花や我が家に第一反抗期<忘れな草>」
☆可憐な花に対して反抗期の子がいる(烟水)
☆素直に成長する事を祈ります。私なら「一人」としたい。(白い鴉)
☆片言で「いや」を連発している、かわいいねじ花にぴったり。(うーむ)

◎3点「廃屋の軒に連なる烏瓜<白い鴉>」
☆色付いた烏瓜が枯れた背景に映えますね。(句猫)
☆廃屋を一層侘しく見せる烏瓜からは天花粉、化粧水が採れまっせ。(ウーフ)
☆尾花の頃に生るれど(蚕豆)

◎3点「梨のつゆたらすにまかす園児かな<弓子>」
☆これはまる洗いだなと微笑ましく思いました。(句猫)
☆子供を見ている親の句(烟水)
☆ジューシーな梨にがぶりつく子供ら。園児という表現が具体的。(狛犬)

◎3点「式部の実母にセーラー服の日々<うーむ>」
☆母にも少女時代があった。セーラー服と式部の実が響き合っている(けいこ)
☆人も自然も順繰りなのですね。式部の実がそう教えてくれています。(そよ風)
☆実の細かさと夢色とが、母の若き日々への空想にマッチしている。(たいじ)

◎2点「母偲ぶ兄のしわぶき萩の宿<ウーフ>」
☆寂しい感じが秋の雰囲気と共に伝わると思いました。(句猫)
☆母の享年に近い年老いた兄弟がその母を偲ぶ姿が目に浮かびます。(狛犬)

◎2点「行き摩りの墓碑に屈めばほたる草<ウーフ>」
☆墓碑とホタル草の対比が実に俳句的。でもちょっとできすぎか。(狛犬)
☆何を語るや藍の色(蚕豆)

◎2点「毬栗や家路は遠き通学路<忘れな草>」
☆すっきりした句、緑多い道を行く子どもの姿が目に浮かぶ。(うーむ)
☆道草楽し我忘れ(蚕豆)

◎2点「庭先にお化け南瓜の並びけり<白い鴉>」
☆相当大きな南瓜を思う句(烟水)
☆でかい南瓜は見ているだけで訳もなく楽しい。(弓子)

◎2点「女郎花他生の事は許されよ<弓子>」  
☆恨み・憎しみ・怒りから自由になりたい。女郎花が悲しい。(うーむ)
☆作者と女郎花の前世に何があったのか?言わぬ部分が魅力だ。(たいじ)

◎1点「夕空の奥の明るさ桐一葉<たいじ>」
☆桐一葉の侘しさを上五中七で明日に繋がる再生に導いているようだ。(そよ風)

◎1点「毒茸や赤銅色に月の蝕<たいじ>」
☆毒茸と月蝕の取り合わせが絶妙だ。この地球の影の侵食を見よ。(ウーフ)

◎1点「ドングリを焼いて食わせる峠茶屋<狛犬>」
☆団栗食べたことあります。まずかった。何か処理するの。(弓子)

◎1点「秋の草踏みて坂道降りにけり<烟水>」
☆単純明快。物足らないと感じ、選ぶ人少ないだろうなあ。(弓子)

◎1点「みちのくの彩の乱るる花野かな<けいこ>」
☆中七、彩の乱るるに情感を感じさせられた。(そよ風)

◎1点「白蛇に似たる木の根やつく法師<そよ風>」
☆白蛇の木の根が生々しいその木に鎮魂めく法師蝉の鳴き声(けいこ)

◎1点「幾百の島を眼下に萩咲けり<そよ風>」
☆島を眼下に見るには、萩より荻の方が相応しいかと思うのだが。(ウーフ)

◎1点「踏みしめるリハビリの足葛の花<句猫>」
☆頑張りの気持ちが嬉しい、素直な好印象の句。(そよ風)

◎1点「綱渡り南瓜色付くカラの車庫<句猫>」
☆綱渡りの意味が分かりません。でもこういう句の感じが好きです。(狛犬)

◎1点「月の神芒の原に矢を放つ<うーむ>」
☆月光を月の神の矢に譬えることで、美しい幻想世界が展開された。(たいじ)

◎1点「銀の波芒野渡る月の船<うーむ>」
☆夢があって良い。私なら「銀波の」としたい。(白い鴉)

※以上です。


※忘れな草さんへ。前回の貴アドレスに送信したら届きませんでした。正しいアドレスを再送してください。(泰二)

◇句猫さんへけいこさんから応援のコメントがありました。
◇うーむさんからも応援のコメントです。
◇句猫さんから返信のコメントがありました。(泰二)
<句猫さんへ(けいこ)>
 六月に膝のお皿を割られたとか・・・大変でしたね。
 その後のご経過は、いかがですか?このたびのブログ句会のご出句に、リハビリに励まれているご様子を拝見しまして、安心しました。痛みというものは、ご本人しかわからないもので、軽々しい励ましを言えませんが、私などの半分ぐらいのご年齢と伺っております。お若いので、ご回復も早いのではないのでしょうか。
 私などは、俳句が精神安定剤にはならず、せいぜい癒し系のCDを聴くぐらいです。句猫さんは、ご出句なさっているので、俳句が精神安定剤になっているのでしょうか。
 月並みなことしかいえませんが、どうぞご無理をなさらず、リハビリに励んでください。一日も早いご回復を願っております。(けいこ) 
<句猫さんへ(うーむ)>
 お怪我大変でしたね。膝は大切な所、どうかゆっくりあせらずに治してくださいませ。
けいこさん同様、今回の句会の句を読みながら、句猫さん順調に頑張っていらっしゃると思っておりました。リハビリの句も十年後には、あんなことがあったと思い出の一つとして、読み返されるのでしょう。日記もいいですが、俳句はやっぱりいいですよね。
私にとっては俳句と音楽は精神安定剤です。昔から登山など自然が大好きですが、今は4人の子どもの世話に追われ、なかなか街中の家を空けること、ままなりません。(4人の子どもの養育費の為『旅行』という文字も我が家には存在しません。)想像の世界だけでも野や山に身を置いて精神的に羽ばたく、ちょっとアブナイ気もしますが、自分にはかけがえのない時であります。
 再び夏休みのような暑さ、整形外科の患者さんにはおつらいことと思いますが、どうぞお大事に。一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。(うーむ)

<句猫さんからのコメント>
暖かい励ましのコメントをどうもありがとうございました。おかげ様で、ペンギンよりは颯爽と歩けるまでになりました。モンゴルの泥風呂は無理ですが、どこかに湯治と洒落込んでみようかしら!?などと思える余裕が出てきました。

けいこ様、2ヶ月ごとのブログ句会で、青息吐息の私には、俳句が精神安定剤になるまでには、かなりの年月を要しそうです。が、うーむ様のおっしゃるとおり、17文字の中に思い出が詰め込められる(さらなる鍛錬が必要ですが…)俳句って本当にスゴイですね。

またブログ句会でお目にかかれることを楽しみにしております。この度は、本当にありがとうございました。「正座」ができるようになる日まで、リハビリに励みます!
taiji-m * ブログ句会 * 14:51 * comments(4) * trackbacks(0)

ブログ句会(第四回)出句表

写真の蝶は「アゲハ」。卵から飼育して羽化しました。蛹から出て、翅を伸ばしているところです。

<ブログ俳句会の出句集です。>
下の作品が今回の参加者全員の出句です。
この中から良いと思う作品を4句選んで、その番号をメールか、この記事の下のcommentsから送信してください。
(出来たら、その句の感想・批評を30字以内で添えてください。)
○ただし、選句は出句した人に限ります。

 ☆選句期限 9月13日。
 ◎全ての選句をまとめ、このブログに高点順に並べて発表します。作者名(ブログ上の仮名)も添えます。感想・批評も評者名(同前)を添えて全て発表します。

  <出句表>
1蔵窓の開けられしまま花芒
2母偲ぶ兄のしわぶき萩の宿
3行き摩りの墓碑に屈めばほたる草
4遠駆けの仮装みだるる檀の実
5竜胆の咲く道下れば信濃かな
6松茸は外国生まれ土瓶蒸し
7ねじ花や我が家に第一反抗期
8カラスさえ口にあわずと石榴の実
9毬栗や家路は遠き通学路
10キツネノカミソリ誰彼の病む噂
11夕空の奥の明るさ桐一葉
12毒茸や進んでいたる月の蝕
13庭先にお化け南瓜の並びけり
14風の野となりし中伊豆草紅葉
15廃屋の軒に連なる烏瓜
16菊かをる友に慶事のありにけり
17梨のつゆたらすにまかす園児かな
18女郎花他生の事は許されよ  
19ドングリを焼いて食わせる峠茶屋
20卑猥なり破芭蕉の花葉陰より
21身もだえし何が苦労のアロエかな
22菊の束貰ひて活ける花瓶かな
23秋の草踏みて坂道降りにけり
24菓子浮かぶ食べたき型の菊の花
25風入れて湯殿掃除や白木槿
26秘湯まではげしき揺れや葛の花
27みちのくの彩の乱るる花野かな
28白蛇に似たる木の根やつく法師
29いつの間に赤の類焼彼岸花
30幾百の島を眼下に萩咲けり
31踏みしめるリハビリの足葛の花
32綱渡り南瓜色付くカラの車庫
33空の下金柑ひとつ坂の途中
34桐一葉集く音須萸に言問うか
35縹草置く玉梓の掌
36抽斗に鹿鳴栞とスーベニア
37月の神芒の原に矢を放つ
38式部の実母にセーラー服の日々
39銀の波芒野渡る月の船
 <以上です。>
※うーむさんから読みの質問がありました。
34の「集く」「須萸」、35の「玉梓」です。
※それぞれ、「すだく」「しゅゆ」「たまずさ」でしょう。
これを広辞苑で引くとその漢字が出てきます。(泰二)

◎句猫さんからのコメントを紹介します。
お久しぶりです。句猫です。
この夏の私の状況をご存知のようなブログだったので、コメントさせて頂きました。
6月末に膝の皿を割りまして、これを俳句に詠めるくらいの余裕がないとダメなんだろうなぁと思うものの、お菊さんは夏の季語じゃないだろうけど、「お菊さん私の皿は割れたのよ」とボヤくのがせいぜいでした。なかなか精神安定剤とまではいきませんでしたが、「蝉時雨副木した足いま一歩」と少し気力が出てきました。

※このコメントはこのブログの8月20日の記事「禍転じて福となす」に応えてのものです。句猫さんへの応援のメッセージ、コメント欄にお寄せください。(句猫さんは私の半分くらいの歳の方です。泰二)
taiji-m * ブログ句会 * 21:01 * comments(7) * trackbacks(0)
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