<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 山頭火の信条 | main | 俳句なんでも、Q&A。 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

俳句と理屈

写真は「蜆蝶(ヤマトシジミ)」の交尾です。
<俳句と理屈・明治>
A「水かけて見れどいよいよ氷かな」
B「水かけて終に解けたる氷かな」
C「水汲んで氷の上に注ぎけり」
 この三句のうち、どれが良いとお思いですか?

Aは、元禄時代の句。Bは、正岡子規がわざと月並み調に作った句。Cは、高浜虚子の句です。
 子規は、この三句を比較して、若い弟子、虚子の句を「淡白平易の裏に微妙の趣味が見られる」と言って称揚しています。言い換えれば、趣向を凝らしたA・Bの句を否定しているのです。


写真は天道虫の交尾。背中の模様は異なるが同種の天道虫です。
<俳句と理屈・現代> 
藤田湘子は、その俳句入門書の中で、
D「春愁や転勤内示ありしより」、
E「菖蒲園せまく雨傘触れ合へり」の二句を挙げ、
Dは、転勤内示→春愁という因果関係が作品を浅くしている。
Eも、狭い→触れ合うという理屈に立って作られていると批評しています。
さらに、
F「大吉のおみくじ引いてうららかに」
G「目を病みて無口となりし暑さかな」
H「友の死に夕べ花冷えつのりくる」
I「修道女歳晩の街ふりむかず」を挙げ、
「一句の中に原因と結果が出てきて、それが常識で裏打ちされてしまうと、やはり理屈っぽくなってくる」
「二つの部分が意味でつながり、そのうえ(だから)が接着剤の役割を果たしている」と批判しています。


写真は蜆蝶の交尾。
<俳句と理屈・解決法>
◎「結果」を捨てる。
上の虚子の句C「水汲んで氷の上に注ぎけり」のように、全く「結果」を捨てるか、Iの句を「修道女大寒の街ふりむかず」とするように、理屈と無関係な季語に変える。(湘子案)
◎原因を捨てる。
例「泉の底に一本の匙夏了る」飯島晴子
例「残雪に引きこぼしたる木屑かな」芝不器男
原因を残すと、
「夏了る泉の底の忘れ匙」、
「残雪に折れ枝伐りし木屑かな」。
◎常識を超えた「原因」、または「結果」を付ける。
「ちるさくら海あをければ海へちる」高屋窓秋
「じやんけんで負けて蛍に生まれたの」池田澄子
「死にたれば人来て大根煮きはじむ」下村槐太

※ブログ句会、次回の出題は7月1日です。
taiji-m * 俳句と理屈 * 11:45 * comments(1) * trackbacks(0)

スポンサーサイト

スポンサードリンク * - * 11:45 * - * -

コメント

泰二主宰、季語の漢字についてお教えください。
 片影と片陰、片蔭の使い分けがよく分かりません。
 合本俳句歳時記第三版(角川書店編)には、片蔭、日陰、片かげり、しか掲載されていませんが、片影を用いた有名俳人の句はあるのでしょうか。

            
Comment by ウーフ @ 2007/06/13 10:20 PM
コメントする









トラックバック

このページの先頭へ