<< November 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「地虫出づ」 | main | ブログ俳句会を開きます。 >>

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

季語の虚実

上の写真は、青虫(柚坊)から飼育して羽化させた揚羽蝶です。「揚羽蝶」は季語としては夏季です。
 句に使う季語はその時、実際にその場で見たものでなければ、いけないのでしょうか?
 皆吉爽雨は「写生の第一歩は、嘘を言わず正直に写すことだ。鴉が二羽いたら二羽と言うべきだ。句の面白さを狙って一羽とか三羽とかにするような己がはからいは捨てよ」と言います。
 一方、水原秋桜子は自作「濯ぎ場に紫陽花うつり十二橋」の現場を弟子が確かめに行って、額紫陽花があったという報告をしたことを、「自分にとって句の紫陽花が幻影であっても差し支えはないのだ」と評しました。森澄雄は自作「雁や胎中といふ山の村」について「実際に咲いていたのは撫子だったので、初案は『撫子や』だったが、『タイナカ』という地名とひびきが合わないので、『雁や』とした」と言っています。
 私自身は、このブログで言ってきたように「季語は一句のムードを決定するもの」と思っているので、その句の内容、その句に託する自分の思いに合う季語を選びます。例えその場に無かったものでも。
 「ボタン屋のボタンの数の夜長かな(泰二)」。 実際は昼間見た情景でした。


  △上記の句中の季語。「紫陽花」=夏。「雁」=秋。「撫子」=秋。「夜長」=秋。

◎投句、コメントは、この下の「comments」をクリックし、出てくるコメント送信用の画面に記入し、送信してください。

◎新しい方から投句がありました。
<投句・けいこさん>
A別れきて春夕焼けのほかは見ず
B春荒れや一合の米といでをり
C春塵を拭きつつ日差し拭いてをり
D草萌えや空にふんはり白くじら
E鳥帰るいつ止まりしか掛時計
<感想・泰二>
けいこさんの句、どれもすばらしいです。本格的にかなり長年俳句に取り組んでいらっしゃった方と思います。私は特にA・Bがいいと思いました。
A、季語「春夕焼」の働きで、別れた親しい方への愛惜の情がよく出ています。一つだけ欲を言えば、「は」は特に取り上げる気持ちを出す助詞なので、全体に情の強い表現の中では、少し押さえて「を」くらいにしたらと思います。
B、中七下五は他でも見たことのある表現です。しかし季語の「春荒れ」がいいです。物悲しい中に幾分の余裕があります。
C、床の春の埃を拭いているうちに、床の日差しの方に心が向いていたという、対象の飛躍が面白いです。しかし、この面白がり方は、理知に偏っているので、読者は心底共感とはなりにくいと思います。
D、中七下五は「雲」だと思います。そうすると「雲」を「鯨」に見立てた句ということで、その面白さだけで終わってしまいます。ひょっとすると本当に鯨かと思われるくらい断定的に詠んだらどうでしょうか。「ふんはり」は不要となるでしょう。
E、中七下五の「掛時計」は古いタイプのぜんまいを巻く振り子時計を連想させます。それと「鳥帰る」の取り合わせはいいですね。ただ「いつ止まりしか」という疑問の形は作者の気持ちを強く出してしまうので、「いつか止まりし」と状態を述べただけの形のほうが無難だと思います。
 いろいろ言いましたが、かなり贅沢な注文で、どれも元の句のままで、十分優れた句と思います。
taiji-m * 季語について * 16:16 * comments(3) * trackbacks(0)

スポンサーサイト

スポンサードリンク * - * 16:16 * - * -

コメント

管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2007/04/07 10:02 AM
管理者の承認待ちコメントです。
Comment by - @ 2007/04/07 12:12 PM
選句  2 7 16 29
  2、桜の華やかさに、豊かさに心が浮き立ち土に触れ、花に触    れたくなる気持ちがよく表れている
  7、鳥も喜んでいる春、桜のことを噂をしているのかも知れ
    ませんね
  16 ダムのそこに沈んだ桜のこと、悲しみや思い出が沢山あ    ふれていて、幽玄な情景が浮かびます。
  29 朝ざくらと白き封書がとてもあっていると思います 
Comment by 翔子 @ 2007/04/08 11:04 PM
コメントする









トラックバック

このページの先頭へ