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写真は「ヒメアカタテハ」。去年、隅田川の護岸の裏側で撮りました。
<第九回合同ブログ句会・選句>
今回は出句集の発表で、私の失態もあり、御迷惑をおかけしました。私の体調の低下もありますので、これが最後の句会かもしれません。
※「選」は句の後ろに一選を一字で示しました。選者名の始めの一字です。
この「選」、または句会の感想を世話人宛てにメールでお寄せください。
<出句集>
<八目>
1石庭の砂のきらめく良夜かな 白
2血脈の四代揃ふ月見かな 鴉・知・土・泰
3病床を照らせる月を離れ見る 友・狛
<白い鴉>
4棟上げ の祝ひの手締め夕月夜 土
5灯台の光芒冴ゆる月の宿
6湧き出でし水の高鳴り月の里
<悠>
7十五夜の火の見櫓を昇りけり
8星引つ張つて中天の二十日月 季
9次々に雲の近寄る月今宵 若
<小波>
10十三夜いつもの場所に占ひ師 白・狛・冬・杏・紙
11故郷には故郷の月のありにけり 土
12月よりも大きな星を未だ見ず
<奴>
13望洋と月せりあぐる海の音
14伊那谷の闇に慣れきて月を待つ 季
15十六夜や波音高くなるばかり 紙
<季彩>
16名月や国宝と云ふ屋根の反り 友・小・悠・奴
17影までも母に似てきし良夜かな
18仏心の少しよぎりし後の月 白・杏・知
<風花>
19月の出やどこかで赤児泣いてゐる 冬・鴉・紙
20貰ひ湯や吹かれて戻る月の道 土
21窓を閉めなほ魂遊ぶ良夜かな
<冬子>
22岬より船あらはるる良夜かな 鴉・若・柊・奴
23手作りの月見団子や母は亡く 狛
24良夜かな岩肌を打つ波の音 泰
☆24、格調が高い。余分なもの、不足なものは何一つない。完璧な句。(泰二)
<土曜日>
25名月やいのちほぐして歩く道 句
26満月やわたしもすこしまろやかに 小
27初恋を女房に明かす良夜かな 青
<紙風船>
28教室の余りし母校昼の月 小・悠・う・奴
29眼裏に小さき母の背月祀る
30鉛筆の四五本削る良夜かな は・柊
<鴉の子>
31月の出やシルエットめくビルの街
32雀さわぐびいどろいろに朝の月 季
33満月や自転車飛ばす二人連れ
<若葉>
34明月に星の光りを見失ふ 小
35カーテンを引きかねてゐる月今宵 友・知
36満月や空の藍さの暮れのこる
<泰二>
37月細し妻よ熟睡してゐるか 友・柊
38葉隠れに鳥のつぶやく良夜かな は・冬・風
39汐入りの池に魚跳ぶ良夜かな 白・は・冬・鴉・若・柊・青・風
☆37、妻へのいたわり、そこはかとない寂寥感が季語と響きあつている。(柊)
<柊>
40今日の月歩幅小さくなりしかな 泰
41有明月車ひそかに出でゆきぬ 青
42森抜けて満月濡れてゐたりけり は・杏
<はるか>
43フルートの少女伏目に月祀る
44風紋の砂ながれゆく月夜かな う・風
45父祖の地を尋ねあてたる良夜かな う
<知足>
46記念樹に明暗想う良夜かな
47孫帰り月光だけの広き部屋
48仕事置き満月背負い我が道へ
<うーむ>
49六膳の箸のそろひし良夜かな 若・悠・紙
50月光を満たし窓辺の試験管 句・青・風・泰
51海原の月の道ゆく小舟かな 杏
☆50、ワイングラスじゃなく、試験管とは無骨で味のある。(青子)
☆51、中七の、「月の道ゆく」に感心しました。(杏)
<青子>
52三十日月山を離るや空に溶け
53月さやか湖底遺跡の長き黙
54月入れよ人魚となりて海に出む
<友遊>
55夕月夜遊ぶまもなく軒の灯に
56月の夜の互いに息をあはせをり
57月光や坂ころがりて明日をえし
<句猫>
58見渡して小さくステップ良夜かな
59白い月玉入れ競技のカゴの上
60月明り私の中を通っていく う
<杏>
61灯を消して招き入れたる後の月 季・狛・句・奴
62石仏も歩き出したき良夜かな
63名月に山村の闇動きたる 悠
<狛犬>
64月を見て月にみられる月見かな 句
65月面に一人静かに座りたし 知
66三日月の鋭き角や眠れぬ夜
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<青子さんの感想>
☆27・それは形を変えた二度目のプロポーズ。
☆39・きれいです。人魚もあらわれそう。
☆41・後朝の別れというわけでなく、早朝出勤でしょうが・・・
<風花さんの選評>
選に迷いました。「22・岬より」「51・海原の」も選に入れたかったです。
<世話人の余得>
今回は良い句が多く、選に入れたい句が他にもありました。「15・十六夜や」「16・〜屋根の反り」「19・月の出や」「27・初恋を」「30・鉛筆の」「44・風紋の」。また「65月面に」もユニークで面白かったのですが、「月面」に季語性があるかが気になりました。